作業服は用途の性質上、頑丈な作りになっているのが特徴です。中でも上下が一体になっているつなぎの作業服は異物が服の中に入り込まない利点があるので様々な作業現場で重宝されています。近年ではファスナーによって上下の着脱が出来るつなぎも増えているので更に利便性の向上を図ることが可能です。
作業服の扱い方を学び、最適な状況で着こなすことを心がけましょう。
つなぎスタイルの作業服が重宝される理由
作業服は工事現場や工場など肉体労働の現場で着用する機会が多い衣類です。用途の性質上、頑丈な作りの物が多く、厚手の生地が使われているのが一般的です。作業服は一般の衣類と同様にジャケットとズボンに分かれている物以外に、上下が一体になっているつなぎも多く出回っています。
つなぎの作業服は着たり脱いだりするのに手間がかかる他、生地の面積が広いので洗濯後の乾燥に時間がかかるのが欠点です。また、つなぎは上下一帯の構造上、少しでも肥満の体形になるとたちどころに着心地が悪くなるのも問題の一つです。
しかし、つなぎスタイルの作業服は服の中に異物が侵入しにくいメリットがあります。作業現場によっては危険や薬品、熱湯、金属片などを扱うことがあるので万が一の事故に見舞われた場合、つなぎを着ていることで危険物が肌に触れる可能性を減らすことが可能です。
つなぎスタイルの作業服は機械整備の工場や薬品を扱う現場で多く用いられています。上下が繋がっているので腹部にすき間が無く、危険物が素肌に触れるリスクが軽減されるためです。また、細かい部品が衣服の中に入り込む心配が無いのも整備工場の作業服として重宝される理由の一つになっています。
近年では耐熱服や防塵服など、素肌を出来るだけ晒さない必要がある衣類にもつなぎスタイルが取り入れられています。
ウエストファスナーが付いているつなぎのメリットとデメリット
作業服として広く普及しているつなぎの中にはウエストファスナーが付いている物があります。ズボンやスカートなど一般の衣類のウエストファスナーは着用した際にウエスト部分を締め付ける目的で付いています。ボタンやベルトと同様の役割ですが、つなぎのウエストファスナーは上下を分離させる目的の物を指すのが普通です。
ウエスト部分を囲む形状でファスナーが付けられているので、開くことで上下を切り離してそれぞれを独立して着ることが出来るようになっています。つなぎの作業服を上下に分離させることで上下の一方だけを選んで身に着けたり、洗濯の手間を簡略化出来る利点があります。
上下を分けることで私服に転用することも出来ますが、連結部分に当たるファスナーは作業服の生地より耐久性が低いので過酷な環境では壊れやすいのが大きなデメリットです。ウエストファスナーは酸や高温で破損する他、経年劣化によって滑りが悪くなることがあります。
ファスナーとしての機能が損なわれると上下の分離が自由に出来なくなるので、状態が悪くなったファスナーは速やかに交換することが大切です。ファスナーの破損を放置すると気づかないうちに連結部分が外れてしまい、穴が開いた部分を引っかけて思わぬ事故に見舞われるケースも少なくありません。
作業服は着用している人が安全に仕事に従事出来る作りであることが重要視されるので、不具合のある物は避けることを心がけます。
つなぎの作業服を購入する際のポイント
つなぎスタイルの作業服は細かい異物や危険な液体を扱う作業現場で体の安全を守るのに最適な衣類です。
購入の際は頑丈で扱いが容易な物を選ぶことが大切ですが、長く着続けることを考慮してデザインや寸法などを慎重に考慮する必要があります。特にウエストファスナー付きの作業服はファスナー部分の劣化を踏まえて選ぶことが大切なので、通常の作業服以上に安全で使い勝手が良い事を重視することが大切です。
つなぎの作業服は上下がくっついた作りなのでデザインが平均的な体形に準じている傾向があります。購入時には体に丁度良い寸法であっても、肥満や加齢による身長の縮小が原因で体に合わなくなるケースがあります。また、体形には個人差があるので同じ身長でも裾や袖の長さが合わないことも珍しくありません。
つなぎの作業服は一般の作業服の上下が一体になった衣類なので、販売価格は割高になっているのが普通です。また、頑丈な生地を使っている作業服は耐久性の高さから価格も高額な物が多いので、購入の際には用途と価格が釣り合っている物を選ぶことが重要になります。
つなぎスタイルの作業服は着たり脱いだりするのに手間がかかることから、購入の際は必ず試着して着心地を確認するのが長く愛用するためのコツです。そのため、実際に試着が出来ない通販での購入は慎重に判断することが重要になります。
同じ寸法の表記でもメーカーによって実寸には多少の差異がある他、袖や裾の長さも異なるので注意が必要です。
ウエストファスナー付きのつなぎを家庭で洗濯する方法
つなぎは生地の面積が一般的な衣類より広いことから、洗濯後の乾燥に時間がかかるのが欠点です。家庭用の洗濯機は容積が小さいのでつなぎ以外の衣類を一緒に洗うのが難しい問題もあります。その一方で上下を分離出来るウエストファスナー付きのつなぎは別々に洗濯が可能なことから、一般の衣類と同様にまとめて扱うことが可能です。
洗濯後の乾燥も上下別々に行えるので、片方だけが乾燥した場合でもそのまま着用出来ます。
家庭用の洗濯機ではつなぎのファスナーが傷む心配が殆ど無いのも利点の一つです。生地が厚手なので一般の衣類と比べるとやや乾きにくい点を除けば、普通に扱うことが出来るようになっています。作業服の汚れは油脂や薬品など特殊な成分が混在しているので、市販の衣類用洗剤では完全な洗浄は困難です。
作業服専用の洗剤を使うのが効果的ですが、製品によっては衣類の生地を傷める可能性があるので家庭で使用する際は注意が必要です。また、洗剤の成分によってはファスナーの金具にサビを作る物もあるので、ウエストファスナー付きのつなぎを洗濯する際は洗剤の成分表を必ず確認することを心がけます。
つなぎの作業服を保管する工夫
つなぎの作業服は一般の衣類と同様にシワを伸ばし、日光が当たらない通気性の良い場所に吊るすのが形状を崩さずに保管する方法です。ウエストファスナー付きの作業服は上下を連結させた状態で保管するのが最適ですが、ファスナー部分にわずかでも水気が残っているとサビが生じて劣化します。
そのため、十分に乾燥させてから連結させるのが長持ちさせるコツです。